本田加入のパチューカに潜入! 全寮制の学校に病院、映画館も備えた巨大施設とは
メキシコ初の日本人プロ選手の百瀬氏が現地入り 「リーグ観客動員数はドイツに匹敵」
日本代表FW本田圭佑が今夏、メキシコ最古のクラブとして知られる名門パチューカに加入して大きな話題となっている。メキシコのサッカー環境やクラブの姿は日本ではあまり報じられず、馴染みのないものだが、どのような特徴を持っているのだろうか。
1992年に15歳でメキシコへ渡り、初の日本人プロ選手としてプレー。現在はコネクト株式会社取締役会長を務め、先月行われた本田のパチューカ加入会見も現地で見ている百瀬俊介氏に話を訊いた。
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――本田選手の移籍で一躍注目を集めたメキシコリーグですが、日本ではメジャーではありません。現地でも日本代表選手の加入ということで、大きな話題となっていますね。
「メキシコのサッカーがいいと言われ始めたのも最近ですよね。メキシコリーグといっても、インパクトとしてはあまり強くないですから。やっぱりアルゼンチンやブラジルに比べると、国としてもリーグとしても及ばないです。ただ、ワールドカップはこれまで2回(1970年、1986年)開催されていますし、(クラブ・アメリカの本拠地)アステカ・スタジアムという10万人収容のスタジアムもあります。ディエゴ・マラドーナの、あの“神の手ゴール”が生まれたスタジアムですね」
――経験者の目から見て、メキシコリーグのレベルについてはどのように感じていますか?
「日本人でもそう簡単にはプレーできないと思いますよ。それだけレベルが高い。日本だと、メキシコというと『ワールドカップには出ているし、ベスト16には入っているよね』という認識にとどまっています。だけど、メキシコリーグは観客動員数もドイツに匹敵するくらいすごいんです」
――メキシコ人と日本人のサッカー選手は、体格が似ていると比較されることもありますよね。
「ありますね。確かに背格好は似ていると言われますけど、体の厚みが違いますよ。日本人が“単行本”なら、メキシコ人は“タウンページ”というくらい差があります。背格好が似ているといってもフィジカルはメキシコの方が強いし、足下も上手いです。
メキシコサッカーも昔と今では大きく変わっていて、システムも常に変動しています。以前はなんとなくパスを回している感じでしたけど、今はすごくリズミカルなサッカーで、そこにスピードも入ってより進化している。ヨーロッパ、特にスペインからの影響を受けています」