経営難のパルマ、銀行口座の残高不足でホーム試合開催危機に 伊紙が報じる

22日にホームでウディネーゼ戦も、資金不足で会場警備員雇えず?

 経営危機に陥っているセリエAのパルマが、22日の本拠地ウディネーゼ戦に関して前代未聞の開催危機に直面していることが分かった。イタリア地元紙「コリエレ・デロ・スポルト」が試合当日のスタジアムの警備員を雇うための資金が不足していると報じた。
 経営難から選手への給料未払い問題の発覚しているパルマはオーナーがすでに1ユーロ(135円)で所有権を売却。政府への納税にも応じられずに、破算危機に直面している。元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノやDFフェリペは未払いを理由に契約を解除しており、1月の移籍市場では人件費を軽減するために主力を次々に放出するファイヤーセールを敢行していた。
 そして次節のウディネーゼを前にさらなる危機的状況が判明した。記事よると銀行口座の残高が4万ユーロ(約540万円)しかなく、ホーム1試合開催に必要な経費をまかなえないという。クラブは警察、警備員、消防士らと話し合いを持つ予定だが、資金繰りが保証されない限り、警察などは出動を拒否する構えだという。一方、新会長のジャンピエトロ・マネンティ氏は試合翌日に銀行に送金があると主張している。
 中田英寿氏が2001年から04年までプレーしたことで日本のサッカーファンにもおなじみのパルマはイタリア杯優勝3回、ヨーロッパリーグ(UEFA杯)優勝2度を達成し、ユベントスのイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンら世界屈指の名手が所属した欧州屈指の名門だった。だが、03年の親会社のパルマラットの破産がきっかけで経営状態が悪化の一途を辿り、ついに今回の非常事態を迎えた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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