「100%の若手より70%の中心選手」 “強豪浦和”の陰にあったレギュラー固定化の弊害
就任6年目に噴出した負の部分
それはもしかしたら、補強にも影響を与えていたのかもしれない。何年も中心選手が固定され、同じポジションに加入した選手は常にサブとなり、レギュラーを取ることなく移籍していく。そうした状況のチームは、移籍先やプロのキャリアをスタートする場所として選ぶには勇気がいる。
結果的に5年以上、ほぼ休みなく試合に出続けた選手たちには、本人たちの思いとは別に、疲労の蓄積やフレッシュさの欠如が隠せなくなっているように見えた。チームが好調な春先には表立っては見えなかったが、一度不振に陥ると浮上することができなかった。
ペトロヴィッチ監督に限らず、一般的に監督は自分が作り上げてきたチームを、自らの手で変化させることや世代交代を進めていくことは難しい。その課題が6年目になって、急速に結果として表れてしまった。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images