データで見る浦和“崩壊”の要因 「さいたまダービー敗戦後」に激減した数値とは

第9節大宮戦の敗戦後に大きく変わったパス数 特に深刻だったのは…

 2006シーズン以来11年ぶりのJ1リーグ制覇を目指し今季の戦いに臨んでいた浦和レッズだが、勝負の夏を迎えた段階でそれは厳しいものとなりつつある。7月29日の第19節・北海道コンサドーレ札幌戦に0-2と敗れ、2連敗。暫定首位セレッソ大阪と勝ち点12差の8位に低迷するなか、翌30日にクラブは大ナタを振るった。5年半にわたってチームを率いたミハイロ・ペトロヴィッチ監督の解任を発表。後任に堀孝史トップチームコーチを据えて、立て直しを図ることになった。

 第8節の札幌戦まで6勝1分1敗、24得点9失点という圧倒的な数字で首位を快走しながら、なぜここまで崩れてしまったのか。そこで今回は、データ分析会社「InStat」を利用して開幕からの8試合と、潮目が変わった第9節大宮アルディージャ戦(0-1)から7月22日に開催された第22節セレッソ大阪戦(2-4)までの11試合のデータを集計。大宮戦の前後で、首位を快走していたチームにどのような変化が起きたのかを見ていきたい。

 まず、ボールポゼッションを志向する浦和にとっての生命線と言える「1試合平均パス本数」は、大宮戦前までの674.5本(成功率87.2%)から、大宮戦以降は595.5本(成功率87.2%)と激減。パス成功率に変化はないものの、本数が減少したことにより、試合の主導権をつかみづらくなっている様子が窺える。

 特に深刻なのが中盤だ。ピッチを自陣ゴール側からディフェンシブサード、ミドルサード、ファイナルサードと3分割した際、ディフェンシブサードへのパス数が143.1本から114.4本、ミドルサードへは336.9本から271.4本と大幅に減少。敵陣のファイナルサードでは194.5本から194.4本とほぼ変化がないことから、最終ラインや中盤での支配力が低下している傾向が見て取れる。

 

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