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中国で“第二の人生”を歩む異色の日本人元Jリーガー 300人の生徒を教える原動力とは
現役時代に見抜いた中国育成システムの課題
中国スーパーリーグには近年、潤沢な資金を背景に多くの大物助っ人が加入しリーグの発展に貢献してきたが、楽山はその他多くの外国人選手とは異なり、中国サッカー界がプロを目指す子どもたちの育成に、より目を向ける必要があると感じていた。
引退後もサッカーから離れることを望んでいなかった楽山は、当時から中国の10代の選手を育てるシステムに大きな課題があると見抜いていたという。10代の選手を育成するうえでの責任を負う中国人コーチのほとんどが、プロサッカー選手としての経験を持っておらず、「トレーニング中、彼らは練習風景をただ見ることしかできず、子どもたちの持つ小さな欠点を見落としてしまっている」と感じていた。
そこで楽山は、日本式のトレーニングを導入。子どもたちにプレーする方法を教える代わりに、プレーへの考え方に刺激を与えるよう心掛けた。子どもの親が練習場に乗り込んできて、もっとパスの仕方、シュートの仕方、サッカーのプレー方法を教えろと訴えてくることもあったが、楽山は「何をするべきか判断する知恵を絞れ」と子どもたちに主張し続けたという。
開校時はわずか10人ほどの生徒しかおらず、そのほとんどが日本人だった。しかし、それが現在では300人以上となり、その大半が中国人。親も喜んで、日本式のトレーニングを導入するスクールに子どもを送り出すようになったようだ。