ブラジルW杯日本代表発表まで8日 悩める日本代表DF今野泰幸は復活するのか?
抱える不調の理由
そして、横浜F・マリノス戦では、長谷川監督から「元気がない」と言われ、再び先発から外れてしまったのである。調子を崩すことは誰にでもあることだ。しかし、なぜ、これほどまでに不調が深刻化してしまったのか。
「それが分からないんです」。今野は真剣な眼差しで、そう言って続けた。
「周囲からすれば、なんで勝手におかしくなっているんだって思われるかもしれない。でも、その理由が分からないから悩んでいる。ただ、プレーがヒドいのはたしか。いい時は、周囲が見えて、浮き球とか意味のあるパスを出せる。それに、『俺のところにボ-ル、来い、来い』って思えるし、余裕もあるんですよ。でも、今は変に動き過ぎているせいか、逆に周りとの距離が近すぎたりして、味方にとって有効なパスを出せないし、逆に手詰まりしてバックパスが増えている。やらなくちゃって思うんで、変に動いてチーム全体のバランスを崩している。メンタル、モチベーション、フィジカルすべてが噛み合っていない。だから、いまはほんと苦しいっす」
ただし、今野も黙って、その状況に甘んじているわけではない。変に力が入り、しかも動きすぎているせいで体が極度に疲労するという。そのため「バランスよくポジションを取るにはどうしたらいいのか」と周りに相談を持ちかけ、調子が良かった頃の映像も繰り返し見ている。たとえば2012年12月23日の天皇杯準々決勝セレッソ戦などを視聴して、自分のフォ-ムを取り戻そうと必死だ。
「それでも変わらない。今年中には自分を取り戻したいって思うけど、それじゃ遅いですもんね(苦笑)。うーん、このままじゃ代表もヤバイでしょ。まぁ、覚悟はできていますけど」
今野は神妙な顔つきで、そう言うと、覚悟の中身を語った。
「(代表に)落ちても入っても、どちらの覚悟もできているということです。決してあきらめたわけじゃないけど、どっちになってもJリーグでプレーし始めた頃を思い出して、がむしゃらにやろうと思っているんで」