新生ドルトムントで香川の立場とは? クロップ時代のゲーゲンプレス復活はプラス要素

出遅れた香川は5、6番手の立場

 香川も「監督のビジョンはすごく好き」と好意的に捉えている。しかし、ポジションを争うライバル陣は、いずれも強烈な個性を持つ。シャヒン、ローデ、カストロ、クリスティアン・プリシッチ、アンドレ・シュールレという浦和戦に先発した5人のほか、復活を期すマリオ・ゲッツェやマルコ・ロイス、ウスマン・デンベレと各ポジションに代表クラスがずらり。そして、U-21ドイツ代表で欧州選手権を制したマフムード・ダフードとマクシミリアン・フィリップという期待の新戦力もこれからチームに合流する。

 浦和相手に2ゴールを決めて日本のサッカーファンに衝撃を与えた“トルコのメッシ”ことMFエムレ・モルも強烈なインパクトを残したが、この選手でさえドルトムントでは当落線上の選手という層の厚さがある。

 これだけの選手が揃うなかで、出遅れた香川はセンターハーフとしても攻撃的MFとしても5番手、6番手の立場から巻き返しを図らなければならない。ボス監督も「シンジには早く100%になってほしい」と言葉をかけたが、その間もライバルたちは悠長に待っていてくれるわけではない。日本代表で10番を背負う男は熾烈な争いを勝ち抜き、定位置を確保することができるだろうか。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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