スコールズ氏がファン・ハールのルーニー起用法に苦言 「深刻な問題がある」
レジェンドが注ぐ厳しい視線
元イングランド代表MFポール・スコールズ氏は、愛する古巣マンチェスター・ユナイテッド(マンU)から名門の伝統である攻撃性とリスクを冒す勇敢さが欠けていると嘆いた。黄金期を支えたレジェンドは、英地元紙「インディペンデント」のコラムで、ルイス・ファン・ハール監督のFWウェイン・ルーニーの起用法を間違いだと指摘している。
20年間、マンU一筋を貫き、リーグ戦499試合出場107得点。11度のリーグ優勝にも貢献した。クラブのレジェンドは、現在のチームに厳しい視線を注いでいる。
「サー・アレックス・ファーガソンの元でプレーした マンUの選手、特に攻撃の選手で重要な役割はチームがボールを保持している時には決定機をつくるためにリスクを冒さなければいけない。これはオプションではない。義務である。私の時代では私が縦パスを出さなかったり、DF陣を破るようなリスクの高いパスを狙うことをやめた時は同じ結末が待っている。監督は私の起用をやめた。監督の求めるプレーを再びできるようになった時に私はチームに戻れた。マンUの歴史は攻撃サッカーだ。それは無失点に抑えたり、決定機を許さないということではない。なぜ、マンUが長年にわたり、世界最高のGKを獲得してきたか。チームが多くの選手を攻撃参加させるので、彼らの存在は必要だった」
スコールズ氏は攻撃こそマンUの伝統だと力説する。乏しい試合内容 ながら勝ち点を重ねている現政権に対し、ファーガソン監督とともに黄金時代を築いた名手は赤い悪魔が継承すべき伝統をこう語っている。
「マンUの中盤たるもの縦パスを出さなければいけない。いつも通らなくてもそうだ。毎回ストライカーのお膳立てができなくても、だ。ボールを受け、決めるのは点取り屋の仕事だ。簡単な仕事ではない。だが、マンUでプレーしているだから簡単なわけがない」
赤いユニホームを着てピッチに立つ中盤の選手は、リスクを冒すべし。シアター・オブ・ドリームとも称される「オールド・トラッフォード」で観衆を熱狂させるために、中盤はDF陣の喉元に鋭いパスを突きつけなければならない。そのための覚悟が必要なのだ。