なでしこJ、個のレベルアップへ 高倉監督が競争継続を宣言 「メンバーは固定しない」
ラージグループを作りつつチームの底上げへ
前任の佐々木則夫監督時代は、2011年の女子ワールドカップ・ドイツ大会で優勝したメンバーの信頼度が絶大だった。世代交代の必要性も叫ばれるなか、新たに招集された選手がその牙城を崩せず。その結果、北京五輪から約8年間戦い続けてきたチームは、15年末に澤穂希さんが引退すると求心力に陰りが見え、昨年のリオデジャネイロ五輪出場を逃してしまった。
その教訓もあってか、高倉監督は「ラージグループ」を作りつつチームの底上げを図っている。ただその一方で、「私の頭の中で埋まっていないピースがいくつもある。選手をどこにはめるかだけではなく、チームでどう戦うかも含め、それを埋める作業を試合を重ねながらやっていかなくてはいけない。まだこのままでは世界のトップに向かっていけない実感がある」という危機感も口にしている。
来年4月には、19年の女子ワールドカップ・フランス大会へ向けた予選が始まる。高倉監督は「今回はワールドカップやオリンピックに行って勝負が懸かった時に、戦うであろう相手。恥ずかしい試合はできないと強く感じている。いろいろなものを試しながらも、予選が近づいてきていることをチーム全体で把握し、自分のアピールだけでなくチームを勝たせることへの強い思いと表現する力を発揮してほしい」と、チーム戦術の浸透と個のレベルアップについてメッセージを送った。
なでしこジャパンにとって、再び世界一への道を歩めるかどうかの試練は続いていく。