プレミアの放映権料高騰にスペインリーグが危機感 メッシらトップ選手流出も?

Cロナウドやメッシらもプレミア流出?

 リーグ全体で放映権交渉を行い、順位に応じて利益を配分するプレミア方式と、リーガの放映権に関する仕組みは大きく異なる。スペイン政府の方針により、各クラブがテレビ局と交渉を持ち、レアルとバルセロナは2012年シーズンに1億1000万ポンド(約201億円)の放映権収入を手にした。これに続くのはアトレチコ・マドリードとバレンシアの3300万ポンド(約62億円)だったが、新たな契約において20クラブで最大3100億円のパイをシェアすることになるプレミア勢とは圧倒的な差が出てくる。レアルとバルサの2強の国内リーグ放映権ですら、プレミア下位レベルまで落ち込む危機に立たされている。

 現在、高額な違約金を設定されているレアルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドやバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシら名手に関しても、豊富な資金力を誇るプレミア勢が獲得できる可能性はさらに高まると予想されている。

 セリエAの国内向け放映権料は年間約9億ユーロ(約1215億円)で、ブンデスリーガは年間約8億円ユーロ(約1080億円)が見込まれている。一方、Jリーグの放映権料は年間約50億円。放映権収入に関するプレミアリーグの“独走状態”を受け、テバス会長は放映権交渉をプレミアリーグと同じリーグ一括交渉に変更したい意向を示しているという。「もし、放映権の交渉が一括交渉方式にならないとすれば、スペインサッカーはとても深刻な問題を抱えることになる。経済的には我々は5番目のリーグになってしまうだろう」と語っている。

 スペイン1部エスパニョールのジョアン・コレット会長は政府がリーガに一括交渉権を与えない場合、ストライキに突入する準備があることを明らかにしていた。だが、英国やドイツと比べて経済状況が苦しいスペインで、国内からプレミアリーグ級の放映権収入を得られかは微妙な情勢だ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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