宮本恒靖氏から見る日本代表の対戦国の特徴 ブラジルW杯グループリーグ突破の糸口は?
南米予選のチリ戦がヒントとなるコロンビア戦
コロンビアに関しては、南米予選を観て際立っていたのは、フィジカルの強さ。そのフィジカルを活かした中盤の守備が、非常に優れている。
出場が危ぶまれているファルカオだが、彼がいるといないではまったく別のチームになる。彼はウルグアイのスアレスのように自分で何でもできる選手ではなく、ペナルティーエリア内で特に力を発揮するタイプだ。さらに、ポストプレーが非常に巧みなので、彼を軸に攻撃が展開される。そこを起点にトレスやグティエレス、ロドリゲスらが絡んでくる。ファルカオにボールが入ったとき、日本のセンターバックがどれだけしっかりとプレッシャーを掛けられるかが重要になる。
ただし、攻略するヒントはある。南米予選でチリとの試合を観たが、コロンビアのホ-ムゲームにもかかわらず、前半を0―3でリードされた。センターバックはジェぺスがプレーしていたが、チリのサンチェスにいいようにやられていた。コロンビアの守備陣は、細かく素早く動くチリの選手を捕まえ切れていなかった。
日本は、この試合を大いに参考にすべきだ。俊敏性を持ち、さらにポゼッションのうまいチリを相手に、コロンビアはうまく対応できていなかったのだ。日本が試合をコントロールしている時間帯にボール回しが遅くなって、中盤で奪われてからカウンターというのが一番恐い。だが、ディフェンスラインの裏を意識しながら、人もボールも動くサッカーができれば、相手ゴールに迫ることができるはずだ。