宮本恒靖氏から見る日本代表の対戦国の特徴 ブラジルW杯グループリーグ突破の糸口は?
ペナルティーエリア付近のプレーが鍵となるギリシャ戦
ギリシャは、プレーオフのルーマニア戦など数試合を観たが、ポテンシャルの高い選手がいるわけではない分、みんなでカバーしようという意識が強い。それぞれの選手がよく走るし、頑張る印象がある。
彼らのカウンターは、要注意だ。
欧州予選では、守備をしている時間が長かったため、縦の攻撃の鋭さが印象的だった。恐らく、日本がボールを持つ時間が長くなるので、単純なミスからカウンターの機会を与えると、失点の危険性が高くなる。
センターバックのパパスタソプロスは、マンマークに長け、非常に強い選手だ。日本のセンターフォワードは、彼にマークされると厳しいので、もう一人のトロシディスのサイドに逃げた方が良いだろう。ただし、センターバックの2人は、最終ラインを下げたがる傾向がある。ペナルティーエリアのラインくらいで守っていれば良いところでも、エリアの中まで下がって守ろうとする。すると、センターバックとボランチの間にギャップが生まれるので、そこに香川真司や本田圭佑が入って、うまくスペースを使うことができれば、チャンスがつくれるはずだ。
また、ギリシャの選手は、ペナルティーエリア近くでの守備の際、スライディングタックルをしてくるケースが多い。日本は俊敏性に優れた選手が多いので、ドリブルや素早いパス交換を仕掛ければ、ファウルを誘えるだろう。そのFKが試合を左右するかもしれない。