浦和エースが“崖っぷち”の一戦で勝利も危機感 「最下位相手にこんな試合では…」
指揮官の進退を懸けた新潟戦に2-1で勝利も、興梠は「弱いね、まだまだ」
浦和レッズは9日に行われたJ1リーグ第18節アルビレックス新潟戦で、2-1の勝利を収めた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が進退を懸けることを示唆した崖っぷちの試合に勝利したが、得点ランキングトップのエースFW興梠慎三は「ホッとした感じ? 全然。まったく」と、チームが危機的状況を脱したわけではないと話した。
試合開始前の時点で興梠の今季リーグ戦得点数が12なのに対し、新潟の総得点は11。リーグ最下位に沈む相手は得点力不足を露呈して5連敗中であり、浦和にとっては2006年からリーグ戦22試合無敗という無類の相性の良さを誇っていただけに、本来であれば力の差は明らかだった。
しかし、浦和は序盤に訪れた決定機を決めることができず、新潟が5バックに変更して撤退守備を選択してからは攻め手を欠いた。2シャドーの一角で先発した興梠も「相手の嫌がることをするというよりも、つなぐことしかできていない」と話したように、守備を固められようとも鮮やかに崩していく浦和のコンビネーションは影を潜めた。
そのうえ、前半35分には味方CKからのカウンターで先制点を献上。後半もボールを圧倒的に保持しながら崩せない展開にイライラが募ったが、セットプレー絡みのMF阿部勇樹とFWラファエル・シルバの2得点でなんとか勝利。崖っぷちに立たされていたチームは、ギリギリのところで踏みとどまった。
それでも、最下位の新潟を相手にした薄氷の勝利に興梠の表情は冴えなかった。勝利という結果を残したことによる安堵感も全くないという。
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