ポドルスキで歴代9人目の「ドイツ人Jリーガー」 日本人選手の模範となった偉大な先人たち
「浦和で過ごした3年は忘れられない時間」
福田の動き出しがほんの少しでも遅れたら、スルーパスには間に合わない。逆に動き出しがほんのわずかでも早かったら、オフサイドになってしまう。「最初のうちは、まったくタイミングが合わなかった」と福田は振り返るが、コンマの世界で動きを追求していった二人は、やがて最高のパートナーシップを結ぶ。
バインのアシストを得た福田は、95年に32ゴールをマークし、日本人初となる得点王を獲得したのだった。93、94年と2年連続で年間最下位に終わっていたチームも、4位へ躍進する。
後にバインは、こんな話をしている。大切なものを披露するように、彼はゆっくりと言葉をつないでいった。
「浦和で過ごした94年から96年までの3年は、僕のキャリアのなかでも忘れられない時間だよ。福田という素晴らしいFWと一緒にプレーできたし、サポーターの応援も素晴らしかった」
黎明期のJリーグを知らない世代には、ドイツ人Jリーガーと言えばFWカカウが思い浮かぶかもしれない。ブラジル生まれのパワフルなストライカーは、2014年にセレッソ大阪の一員となった。
J1リーグで下位に沈むクラブは苦しい状況に立たされていたが、カカウは12試合出場で5ゴールをマークする。セレッソがJ2へ降格した翌15年も、シーズン序盤の12試合に出場して2得点をマークした。