浦和の歴史に名を残した関根の一撃 観戦の原口も「感動した。熱いゴール」と弟分称賛

原口の存在が「自分の中の何かを動かした」

 それから3年が過ぎ、関根はかつて原口が付けていた背番号24を受け継ぎ、そして原口の目の前で関根が凄みを感じさせるようなドリブルシュートを決めた。成長を見せつけるようなゴールを見届けた原口は「感動した」と素直に一言。さらに「これぐらい熱いゴールを決めてくれて、色々と感じてくれてるのかな。あの時間帯であれを選択するのは、気持ちが伝わる」と、弟のように可愛がった後輩のゴールを称えた。

 同じように、関根にとっても原口は追いつきたい背中だ。リーグ4試合連続で勝利から見放されたチームに残された時間はわずか。足下に転がり込んでくるボールに「元気くんも見ていましたし、元気くんが来て良い流れになればいいなと思っていました。それが自分の中の何かを動かしたんだと思います」と、その背中に原口が乗り移ったかのようにグイグイと突破していった。

 試合後に場内でインタビューを受け、声援に応えながらスタジアムを一周する。ヒーローだけに許される特権に「やはり気持ち良いですね。一人で埼スタを一周できるのもなかなかないですし、最高の時間でした」と、殊勲のドリブラーは笑顔でスタジアムを後にした。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football Zone

 

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