森重が語るFC東京“逆襲計画” 後半戦スタートの鹿島戦へ「攻略のイメージはある」
開幕戦は「我慢強くチームとして戦えていた」
――そうしたなか次のホームゲームは7月8日、後半戦のスタートとなる第18節で前年王者の鹿島を迎えます。相手は現時点で1試合消化が少ないですが、10勝5敗の勝ち点30で3位。ただ得点数を見るとFC東京の「21」に対して鹿島は「22」、失点数はFC東京の「16」に対して鹿島は「15」と、ほとんど変わりません。そのなかでの勝ち点差「6」について、どのように捉えていますか?
「やっぱりゲームの流れを読みながら、自分たちが点を欲しい時にいかに取れるのか、我慢しなければいけない時に守れているのかという差だと思います。数字上はほぼ同じように見えるのに勝ち点にそれだけの差があるというのは、ゲームマネジメント力の差というか……。試合をどう終わらせるのか、立ち上がりをどう戦うのかなど、90分の戦い方が鹿島の方が上手いのかなと」
――たしかに鹿島には、そうした伝統的な強さを感じます。
「今はどういう時間帯なのか、どういうプレーが必要なのかを、チームとしても個人としても分かっていると思うので、ベンチから多くのことを言われなくても、選手たち自身が試合の流れを感じながら上手く表現できているんじゃないかなと。そこは確かに、今の東京にとって足りない部分なのかなと思います。どれだけ1週間準備して、こういう戦い方をしようと決めても、実際にピッチで起こることに対して出ている11人が柔軟に対応できるかがサッカーです。そういう部分で東京の選手一人ひとりは、まだまだ未熟なのかなと思います」
――もっともFC東京は今季の開幕戦、アウェーで鹿島と戦い、82分にオウンゴールで決勝点を奪って勝ちました。ホームゲームでもこの再現を狙うには、何がポイントになると感じますか?
「やっぱり今は我慢強く戦えていないというか、簡単に失点してしまったり、集中力を欠いてしまったり、自分たちで隙を作っていることが多いなという気がしています。でも開幕戦のアントラーズ戦では、相手の隙を探りながら自分たちが我慢強く、チームとして戦えていた。もし、あのまま0-0で試合が終わっていても悲観するような内容ではなかったですね。
あの試合のようにチーム全体で我慢して、相手の隙を見つけながらサッカーができている時は、ワンチャンスで1点が入ったりすることもある。逆にバランスが悪い時は、決定的なチャンスが5回くらいあっても、5回とも入らないようなこともサッカーでは起こり得る。そこは難しいところなのですが。5回のチャンスで1点も入らないのなら、それを10回に増やそうという考え方もありますけれど、そうではない部分もあると思うので」
――鹿島相手に、まずは守備から入るイメージですか?
「まずは守備から入るのが大切ですし、ここ数試合、多くの失点をしているので、まずはみんなでそこを徹底するのが大切なのかなと。特に鹿島は、先に1点を取ってからの戦い方が上手いチームだと思います」