FC東京の不動のサイドバックに起こった9年目の“初体験” 世界にも羽ばたけたはずの男は今、何を思うのか

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「あいつは目が良いんだよな。何かギラギラしていて格闘家みだいだよね」

 だが、その後の“あいつ”は周りが期待したキャリアを歩んだとは言い難い。

 徳永ほど実力を高く評価されながらも自己評価の低い選手をほかに知らない。早稲田大学在学中に特別指定選手としてFC東京で鮮烈なJリーグデビューを飾ると、04年にはアテネ五輪に出場した。翌年、スペイン1部のバレンシアに練習参加して高い評価も得た。

 その後は単発で日本代表に招集されても、世界と名のつく大会とは縁遠いキャリアを過ごすようになっていった。すると、徳永自身は、高い舞台から目を背けるようになった。指導者たちは、その背中を押そうと試みたが、決まって「オレは楽しくサッカーができればいいんすよ」とうそぶき、尻込みしてきた。

 ただし、06年の正式加入から東京で毎年公式戦30試合以上に出場し、ポジションを守り続けている選手はほかにいないのも事実だ。その徳永が、思いがけない言葉を口にしたのが2年前のことだ。

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