久保がベルギーで磨いたハリルJ仕様のFW像 チャレンジ数「106回」に見る進化の跡とは
ボール支配率が高いと勝てない傾向に…
[DATA-4]
最後に久保がパスを受けた数と、ヘントのボール支配率をマッピングした(DATA-4参照)。
久保のパス受け回数はヘントのボール支配率と強い関係性はなく、支配率が低くても受ける回数が多い試合もあれば、その逆もある。また、これはヘントの特徴であり課題でもあるのだが、支配率が高くなると試合に勝てないという傾向も表れた。
最終節に対戦したクラブ・ブルージュ戦では、じつに65%という高い支配率を記録したが、引き分けでも2位の座をキープできるブルージュ側が全体的に低い位置でブロックを作り、相手にボールを持たせてロングカウンターからゴールを狙う戦術を採用。ヘントはここを崩し切れずに勝点を得ることができなかった。ヘントとしては支配率50%から55%程度で、攻守の切り替えが激しい試合の方が長所を引き出せるのだろう。
そうした傾向の強いチームで今年1月下旬からの4カ月間、輝きを放ち続けた久保は、まさにバヒド・ハリルホジッチ監督が求めている理想のアタッカーと言えるのかもしれない。球際での強さと縦への推進力、相手ゴールに向かう積極性をベルギーの地で磨き上げた姿を、今回の代表2連戦でも披露してくれそうだ。
データ提供元:Instat
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Soccer D.B.●文 text by Soccer D.B.(http://soccer-db.net/)
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images