鹿島の石井監督解任に米メディア衝撃 「クラブの失望があるのでは」と分析
ACL広州戦に敗れたタイミングで監督交代、石井監督の実績を米メディア称賛も
鹿島アントラーズの下した監督交代の決断は、海外でも大きな驚きを持って伝えられているようだ。クラブは5月31日に石井正忠監督の契約解除ならびに大岩剛新監督の就任を発表したが、米放送局「FOX SPORTS」アジア版は「タイトル獲得、クラブワールドカップ(W杯)で頭角を現した指揮官を解任した」としている。
同局はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦、広州恒大にアウェーゴール差で敗れ、大会を去ることになったタイミングで監督交代に至ったことを伝え、石井監督の実績について「昨年のJリーグを勝ち取り、その後クラブW杯決勝に導き、レアル・マドリードと延長戦まで戦った――それはアジア圏のクラブをはるか遠い段階に導く最初の出来事だった」と称賛している。
その一方で「指揮官と複数人のスター選手には緊張関係があり、昨年は“ストレス過多”によって入院することになった」とFW金崎夢生との交代を巡る衝突についても触れられている。
ACL以外の今季に関しては「Jリーグ12試合で7勝を挙げている」と言及。さらに「多くのレギュラー陣が負傷で離脱しており、どれだけ現状のチームに力があったかは不確かだ。それだけに今回の発表は本当に驚きのものとなった。背景には選手への影響力、それと同様に、ACL制覇によるクラブW杯出場を狙っていたクラブの失望があるのではないか」と分析している。
半年前のクラブW杯決勝でジネディーヌ・ジダン監督率いるレアルをあと一歩のところまで追い詰め、世界中に衝撃を与えた鹿島だけに、今回の決断は意外なものに映ったようだ。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images