なぜ浦和の済州戦逆転劇は生まれたのか? ACL8強進出を呼び込んだ「奇跡」のイメージ
ズラタンも証言「信じて走り切れたから」
浦和の選手たちは、決戦を前に食事会を開いて団結を新たにしていた。昨年、FCソウル(韓国)に敗れて敗退が決まったベスト16の舞台で、このまま終わるわけにはいかない。リベンジへの強い気持ちは、バルセロナの勝利を信じて最後まで戦う姿勢に感化された。スロベニア代表としてワールドカップの舞台を知るFWズラタンも「自分たちが最後まで希望を捨てず、必ず勝つんだと信じて走り切れたからこその勝利だと思う」と話した。
延長戦までの120分間を通して、浦和の選手たちが勝利を信じ抜くことができた一因に、攻撃的な姿勢を貫いて奇跡を起こしたバルセロナの姿があったのかもしれない。
済州の選手たちによる延長後半終了間際と試合後の乱闘劇に話題が集中してしまった面もあるが、劣勢を跳ね返して準々決勝への道を切り開いた浦和イレブンが見せた底力は、称えられていいはずだ。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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