チェルチの右サイド起用で浮上 本田は「左」コンバートに適応できるか
「持った時の景色は全然違う」「左に追いやられた時に選択肢がなくなっていく」
チェルチは本田同様に左利きだが、本職は右のアタッカー。定位置に戻ったチェルチは後半12分にカウンターからメネズの決勝点をお膳立てしている。1月にアトレチコ・マドリードから期限付き移籍でやってきたアタッカーは右の位置で本来の姿に戻ったと監督は見ている。
本田は左サイドについて「(ボールを)持った時の景色っていうのは、やっぱり今までと全然違います」と振り返った。ミランでも日本代表でも右のタッチライン際からプレーをスタートさせることに慣れていたために、左には違和感を隠しきれない様子だ。
後半、本来の4-3-3システムに変更されても左に固定された。アシストという結果を残したチェルチが右でプレーし続けており、指揮官が「どちらもできる」と語る本田が今後も左に回る可能性は高い。
「詰まっちゃいますよね。左、左に追いやられた時に、選択肢がなくなっていく印象を受ける。そこをどういう風にするか。もうちょっとあらかじめFWに、ワンツーしたいから早めにサポート来てくれとか、もっと早めにボランチにつけて、自分が中でもう1回受けて、反対側に斜めにドリブルしていくとか。すべてが(選手の)距離間の遠さが困難になっているのも事実なので、コミュニケーションと、変えていく作業でしょうね」
タッチライン際に追い詰められた際に打開する術が乏しかったという本田。FWやボランチ、サイドバックとの距離感を縮めて連動性を高めることが必要だとの見方を示している。
1月のリーグ戦で勝ち星のなかったミランは12月14日のナポリ戦以来となる白星をつかんだ。絶大な突破力と決定力を誇るチェルチを生かす目的で、左ウイングにコンバートされた本田だが、新たな役割で適応することがミラン上昇の鍵となるかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images