超攻撃的布陣でミラン年明けリーグ戦初勝利 インザーギ監督が懸けた4-2-4システム
2トップではなく4トップ
ACミランのフィリッポ・インザーギ監督は1日、本拠地でのパルマ戦で4トップシステムを導入したことを衛星放送「スカイ・イタリア」で明かした。
ミランは1941年シーズン以来となる1月のリーグ戦で勝ち星ゼロに終わった。この危機的状況を受け、指揮官はギャンブルに出た。試合前の地元メディアは4-4-2システムへの変更を報じていたが、実際は4-2-4システムだったと主張した。
昨年12月15日のナポリ戦以来となる3-1での勝利を飾ると、インザーギ監督はインタビューでこう語った。
「難しい試合になることは分かっていた。だが、我々はリスクを冒すしかなかった。我々は4人のストライカーを投入した。先発メンバーをここまで入れ替えるのは簡単ではないし、心臓に悪い。難しい状況でも、結果は出せると信じていた。チェルチと本田は良いプレーを見せてくれた。4-2-4システムでのプレーは簡単ではない。私は2人に多くの自己犠牲を求めた。彼らはよくやった」
インザーギ監督は、FWジェレミー・メネズ、ASローマから新加入したFWマッティア・デストロの2トップではなく、左右のMF本田圭佑とMFアレッシオ・チェルチもストライカーとしてピッチに送り出したという。本田とチェルチのスタート位置は敵陣深く、守勢に入った時には長い距離を戻る運動量が必要とされていた。
「チェルチに関しては、ある時間帯にサイドを変えた。そして、本当のチェルチに戻ることができた。私は彼には継続性が必要だとわかっていた。4-2-4システムは我々に満足感を与えてくれた上に、攻撃では脅威をあたえてくれる」
前半17分にメネズのPKで先制したが、7分後に同点に追いつかれてしまう。そこでインザーギ監督は、本田とチェルチのポジションを入れ替えた。これが奏功し、後半12分にチェルチがカウンターからチャンスを演出。メネズの決勝点を呼び込んだ。
MFジャコモ・ボナベントゥーラ、MFリカルド・モントリーボ、DFイニャツィオ・アバーテ、MFナイジェル・デヨングが故障離脱中。野戦病院と化したミランは、27日のイタリア杯準々決勝ラツィオ戦から先発メンバーを6人も入れ替えた。
成績不振により、解任危機も地元メディアで伝えられていたインザーギ監督だったが、決意の超攻撃的システムで最大のピンチをひとまず乗り切った。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images