15歳久保が2世代上のU-20W杯で輝く理由 バルサ下部組織で培ったプレーとは
「ダメもとで行ってみるかという気持ちで…」
ただ、こうした派手ではない地道な準備にこそ、15歳アタッカーの賢さが凝縮されている。決戦の地へと渡る前、久保はこう吐き出している。
「自分は、今年の10月にインドで開催されるU-17W杯に出場する代表に呼ばれてきた。だから、去年の最終予選(AFC U-19選手権)の時は『すごいな、優勝したんだな。強いチームなんだな』という風にしか思っていなかった。でも、その後のアルゼンチン遠征に呼ばれた時に、両親とも相談して『ダメもとで行ってみるか』という気持ちで臨んだ結果、思ったよりはできると手応えをつかむことができた。その後、二度、三度と代表に呼んで頂いて、ここまでこぎ着けることができた。正直、半年前はここにいるとは思っていなかった」
そう語る“2世代飛び級”でのU-20W杯出場。韓国行きの荷物の中に忍ばせたのは、バルセロナのカンテラ時代から培ってきた彼本来の動き出しだった。
【了】
馬場康平●文 text by Kohei Baba
田口有史●写真 photo by Yukihito Taguchi