15歳久保が2世代上のU-20W杯で輝く理由 バルサ下部組織で培ったプレーとは
FC東京コーチが証言 「フィジカル勝負の必要がない」位置でボールを受ける感覚
U-20日本代表FW久保建英(FC東京U-18)は、薄れていたボールの引き出し方を取り戻し、決戦の地に立っている。
昨年11月、FC東京U-23の一員として史上最年少となる15歳と5カ月1日でJ3にデビュー。その後は主戦場をJ3に移した。今や周囲のプロ選手たちが、「攻撃の軸」として久保の名前を挙げるまでに至っている。その過程で、ある転機があった。
ボールを受けてからのプレー精度、技術の高さは折り紙つきだ。だが、それだけではない。試合中、常に首を振り、ピッチの隅々に目を配る。プレーの最適解を探し当てるのが、抜群に上手い選手でもある。
そんな久保が日本に帰国後、知らず知らずのうちに薄れてしまっていたプレーがあった。それに気づいたFC東京の安間貴義ヘッドコーチは、「ほとんど俺からアドバイスなんてしたことはない。でも、トップの練習に参加している時に一つだけ言ったことがある」と言うと、「ちょっと待って。俺、説明するのが苦手だから書いた方がいいね」と、ノートにペンを走らせた。そこには、対戦相手のDFラインと中盤がそれぞれ4人ずつ並ぶ布陣が描かれていた。
そして、相手の中盤とほぼ横並びで、サイドハーフとボランチの間にマルを打つと、「これが建英ね」と言い、「本来は、この中盤の前辺りからバックステップを2、3歩踏んでそのままスルスルと抜け出し、最終ラインとの間に抜けてボールを受ける動き方をしていた」と続けた。