英前代表監督アラダイスが辞任発表、監督キャリア引退も示唆 「新たな仕事を受ける野心ない」
英代表監督はおとり取材で67日スピード解任、クリスタル・パレスで残留置き土産に
クリスタル・パレスのサム・アラダイス監督が辞任を発表した。62歳の老将は「新たな仕事を引き受ける野心はない」との声明も出し、監督キャリアの引退も示唆している。英衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じた。
アラダイス監督は激動の1年間を過ごした。昨夏に悲願だったイングランド代表監督就任のため、当時率いていたサンダーランドを退団。しかし、夢だと語っていた代表監督の座に就いてわずか2カ月後に英紙「デイリー・テレグラフ」のおとり取材で、FIFA(国際サッカー連盟)などが禁止している「第三者による選手の保有」規定を回避する指南役として、40万ポンド(約5800万円)の契約を結んだことが発覚。在任67日間という前代未聞の超スピード解任に追い込まれた。その後、短い休養期間を経て、昨年12月に成績不振で解任されたアラン・パーデュー監督の後継としてクリスタル・パレスの監督に就任していた。
昨年末の就任当時は17位と降格圏目前だったチームを最終的に14位まで引き上げたアラダイス監督は、23日にオーナーのスティーブ・パリッシュ氏に辞任の意向を伝えたという。代理人を通じて発表した声明のなかで「様々な点で、これは難しい決断だったが、ある意味ではシンプルなものだった」とコメントしている。
そして、“ビッグ・サム”の愛称で親しまれた老将は「私にとっては正しい時だ。心の中でよく分かっている。新たな仕事を引き受ける野心はない」とも話しており、監督キャリアの引退も示唆している。
過去にはボルトンで元日本代表MF中田英寿も指導した個性的な指揮官は、プレミアリーグ残留という置き土産をクリスタル・パレスに残してキャリアに幕を下ろすことになるのだろうか。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images