Jリーグを舞台に幕を開けたある双子の物語 うり二つの兄弟がともに誓う約束とは
瞬く間にプロのスカウトに注目されていった松田ツインズ
そうして松田ツインズは瞬く間に、プロのスカウトの間でも注目の存在となった。
大学3年になると、兄弟そろってFC東京の練習に参加した。陸は翌年の開幕前のキャンプにも帯同し、東京でJリーグ・JFA特別指定選手となった。だが、右サイドバックにはクラブの絶対的な存在の徳永がおり、昨年は公式戦出場を果たすことができなかった。
一方、その後、大分で特別指定選手となった力はJ1リーグ9試合に出場し、4得点を記録。陸は弟の活躍に「自分も東京で勉強になったし、成長を実感できた」と弟の活躍に刺激を受けてそのときを待った。
大学を卒業した今シーズンから念願叶い、プロの道へと進んだ。陸は徳永との定位置争いが待つ東京を選び、力は大分での活躍が認められて名古屋入りした。生まれて初めて別々の道を歩む2人の選択が「らしい」と言って、母はこう続けた。
「先に生まれた陸は、自ら道を切り開いてきた。力はできた道をスコンと通って生まれた。それが生き方に出ている。力はあまり深くは考えないけど、陸は困難が待ち受けている方をあえて選んで切り開いていくタイプだったので。でも、応援にいく方は悩ましいですよ。これまではずっと一緒やったけど、どちらにいくか選ばないといけないから」