横浜F・マリノスを撃破して4位浮上 浦和レッズに見えた効果的な“動き”

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 攻撃に関していえば普段、安定したつなぎを志向するだけに、スピードアップは決して多くなく、前に出ればチャンスになる可能性のある場面でも、最終ラインまでボールを下げるシーンが多い。そんな中、リーグ戦4試合ぶりの出場で、サイドから流れをつくった平川忠亮の言葉が興味深い。

「積極的にクロスを入れることで、中の選手も動くことができる。逆に、そこで上げないと動き出せないんです」

 右のスペースでパスを引き出すと、シンプルに前方へボールを運び、繰り返しクロスを送った。浦和が停滞してしまうときは、サイドに展開されても再び後方に戻ってしまうが、前への動きが見られたこの試合は違っていた。

 中でも、14分の崩しは理想的な展開だった。GK西川周作から阿部勇樹、永田充、宇賀神友弥と左サイドで縦に運び、中央の柏木陽介に渡ると一気にスピードアップ。大きく空いた右サイドの平川へロングボールが届くと、最後は原口元気のヘディングで終わった。低い位置から丁寧にパスをつないで相手のスキを突く、流れるような攻撃だった。

「仕掛けるのかキープするのかを、コントロールできればもっと良くなる」

 那須大亮が先制後の展開をこう振り返ったが、後ろでつなぐだけでは相手に守備の陣形を整えられてしまい、なかなか勢いのある攻撃を仕掛けにくい。つなぎながらも機を見てスピードアップし、時には一気にシュートまで運ぶ。その使い分けが、安定したボールポゼッションをより効果的にするのだ。

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