ドルトムント香川に居場所はあるのか? 来季新監督で合意報道の“ファブレ戦術”を分析

ニースでは3バックも導入して守備強化

 また、今季就任したニースではボルシアMG時代の教え子である元ブラジル代表DFダンテの加入を機に、守備時には5バックとなる3バックシステムを新たに導入して守備の安定を図ると、縦に速い攻撃で元イタリア代表FWマリオ・バロテッリの力を生かした。終盤戦には4バックでの戦いも増え、トゥヘル監督と同じように複数のシステムを使い分ける柔軟な戦い方で、モナコとパリ・サンジェルマンに次ぐトップ3の座を確定させた。

 このスイス人指揮官は単にシステムや戦術ありきでチーム作りを進めるのではなく、選手の特性を見極めた上でのバリエーション豊かな采配が光っている。トゥヘル監督に比べれば、ファブレ監督はより守備の安定を基盤に置いている印象だが、そうしたなかでも香川に居場所はあるのだろうか。

 背番号23のプレーメーカーは移籍の噂が囁かれるようになったが、クラブは2018年で満了となる契約の延長を希望しており、残留に傾き始めている。トゥヘル監督の下では出番は流動的なだけに、監督交代によってクラブにおける序列が大きく変わる可能性がある。

 守備面での負担や、ゴール前で持ち味を発揮する香川のプレースタイルを考えれば、よりゴールに近いポジションでの起用がピッタリとはまることは明らか。ファブレ監督の縦に速く攻めるという特長は、クロップ前監督やトゥヘル監督のサッカーとも共通点が多く、トップ下を置く戦い方が継続されれば、攻撃の軸でもあるオーバメヤンやロイスと相性の良い香川には十分に生きるチャンスがありそうだ。

 

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