川崎はなぜACLで“突破力”を発揮できたのか? アジアの舞台での躍進に見るJリーグとの違いは…

「日本同士で潰し合うのは…」

 10日に行われる予定のACL最終節の結果により、鹿島が2位通過となった場合、ベスト16で川崎と鹿島の日本勢の直接対決が実現する。これに関しては川崎の監督、選手ともに難色を示している。仮に鹿島との対戦となった時は、5月19日のリーグ第12節の対戦も重なり、決勝トーナメント1回戦の第1戦が23日、第2戦が30日と3連戦が決定するのだ。

 車屋や谷口が「鹿島との3連戦は正直厳しい。せっかくのアジアの舞台なので他国チームと対戦したい」と口にしたのに加え、鬼木監督やハイネルは「早い段階で日本のチーム同士がぶつかるのはもったいない」との見解を述べた。

 実際に川崎のサッカーを熟知する鹿島との対戦は、なるべく避けたいのが本音だろう。しかし、MF中村憲剛は「ここで日本同士が潰し合うのはもったいない」とした上で、「対策を練られても、その一枚上をいくようなチームになっていかないといけない。次(リーグ戦で)当たる磐田だって、川崎の対策をしてくるんだろうから、それを越えていかないと」と指摘。それがJリーグの上位争いに絡む上でも、避けては通れない道となるのも確かだ。

 今季のACLグループステージを無敗で切り抜けたことは、川崎にとって一つの自信になったことだろう。この“突破力”をJリーグにも還元することができれば、ACLとの二兎を追うことも決して不可能ではないはずだ。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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