川崎はなぜACLで“突破力”を発揮できたのか? アジアの舞台での躍進に見るJリーグとの違いは…
ビッグクラブへの有効的な打開策
鬼木達監督は今季就任したばかりで試行錯誤の段階にあるものの、ACLに関しては、これまで川崎が積み上げてきたスタイルを貫く形での戦いに大きな手応えを得ているようだ。実際に、アジア王者の広州恒大にも2戦2分と五分の戦いを演じている。
「チームが100%でシーズンに入ったわけではないので、我慢強く、負けない試合をしていかないといけないと思っていた。アジアの舞台には日本にいないような強力なアタッカーもいる。そういう選手にボールを触らせないためには、ビッグクラブ相手にこちらがボールを保持して回し続けるということがとても有効的だと実感できているし、それこそが我々のスタイルなんだと再確認した」
選手、監督がともに口にした言葉として浮かび上がるのは、長年一貫してきたパスサッカーが、Jクラブに比べて研究し尽くされていない他国チーム相手には、効果を発揮しているということだ。
その点は、最終節を待たずしてグループステージ突破を決めている浦和レッズにも該当するだろう。2013、15年はグループステージ敗退を喫したものの、昨季に引き続き2大会連続で決勝トーナメント進出を達成。持ち前の流動的なパスサッカーでウェスタン・シドニー・ワンダラーズを4-0、FCソウルを5-2と撃破し、強豪の上海上港にもホームで1-0と競り勝つなど、ライバルチームに大きな驚きを与えている。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下、長年に渡って浸透させたスタイルがアジアの舞台で威力を発揮しているのは間違いない。
一方、川崎にとってターニングポイントとなりそうなのが、10日にグループステージ最終節を控えている鹿島アントラーズの動向だ。