川崎はなぜACLで“突破力”を発揮できたのか? アジアの舞台での躍進に見るJリーグとの違いは…
2014年大会に続くグループステージ突破を達成
川崎フロンターレは9日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ最終節でイースタンFC(香港)とホームで対戦し、4-0と快勝。他会場の広州恒大と水原三星の一戦が2-2のドローに終わったため、川崎は2勝4分の勝ち点10で広州恒大と並び、当該対戦成績も2分(1-1、0-0)と互角だったが、アウェーゴール数で上回ったことでグループG首位通過を決めた。
川崎がACLの舞台で戦うのは今季が5回目となるが、そのうちグループステージを4度突破。現在のチーム戦術のベースが築かれた2012年の風間八宏前監督の就任以降では、3年前の14年大会に出場しているが、その時もベスト16に進出している。アジアの舞台で一定の“突破力”を発揮できていると言えそうだが、その要因はどこにあるのだろうか。
この日MFハイネルの先制点をアシストしたDF車屋伸太郎は、ACLでは川崎の持ち味であるパスサッカーが対戦相手を困惑させることができている実感があるという。
「アジア相手だと、自分たちが深くは研究されていないことが大きいなと思う。やはりJリーグのクラブが敷いてくる守備とは異なってくる。アジアのクラブからは、川崎のスタイルを目の前にした戸惑いというのは伝わってくる」
さらに、2点目を決めたDF谷口彰悟も車屋と同様、アジアの舞台では川崎のサッカーが日本のチームほど研究されていないことが、グループステージ突破の重要なファクターになっていると語った。
「他の国からすると、川崎は独特なサッカーだと感じるだろうし、アジアでは川崎のようなサッカーをするチームはなかなかないと思うので、研究もしづらいと思う。その部分は差になったなと感じている」
5日に行われたJ1第10節アルビレックス新潟戦(3-0)で長期離脱から復帰を果たし、引き続き先発出場となったMF大島僚太が口にしたポイントは、川崎がピッチで示す一貫性だ。
「日本を代表してACLを戦うという責任感は、どのチームにだってあると思うし、そこの点では同じだと思う。川崎はそのなかで特に技術を武器にしている分、アジアでもブレずに安定して戦っていけている部分はある」