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香川真司も楽しんだギグス監督の初陣 4-0勝利デビューでわき起こる永久監督待望論
ファーガソン監督のようにサブを気遣ったギグスの采配
懸命に守る相手をひたむきに攻めた前半41分、ウェルベックがノリッジのPA内で倒されPKを奪取した。このPKをルーニーが見事に決めて先制。ワンダーボーイが左ポストに飛んだノリッジGKルディをあざ笑うかのように、体を開いて放った矢のようなシュートがゴール右隅に突き刺さると、その後のマンチェスター・Uは今季の屈託を完全に吹き飛ばしたかのように、伝統的な攻撃サッカーを表現しはじめた。
そんな盛り上がりを見せた後半20分、前半に惜しいシュートを2本放ち、ルーニーの2点目をアシストしながらも、香川はヤングと早々と交代した。
しかしそれもこの時点で3点をリードして、先発を外れた攻撃陣にも見せ場を作ってやりたいという、ギグスの配慮が感じられた交代だった。
「選んだ11人の先発メンバーに関しては全く心配はなかった。しかし、外された選手の気持ちは気になった。昨夜、よく眠れなかったのもそのせいだ」
この辺りは今も現役選手らしい感想だが、ギグス監督のこの試合後のコメントからも、香川の交代がネガティブな理由ではないことが伝わってくる。
思えばファーガソン監督もこういう選手起用をした。安全圏に入った試合では、ひとりでも多くの選手に見せ場を作ろうとした。それで「俺もマンチェスター・Uの一員だ」という気持ちを控えの選手に植え付けることができただろうし、選手も監督の信頼を感じただろう。
一方のモイーズ監督は交代枠を余して試合を終えることが多く、それがレギュラーと控えの間に深い溝を作ってしまったという側面もあったのではないか。
1月にフィオレンティーナにレンタル移籍したブラジル代表MFアンデルソンが「今のユナイテッドには出て行きたいと思っている選手が多くいる」と話して、問題になったが、それもモイーズ監督のそうした起用方針がひとつの要因になっているのかも知れない。