香川真司も楽しんだギグス監督の初陣 4-0勝利デビューでわき起こる永久監督待望論

香川も体調の良さが際立つ

 最近の試合でゴールを量産していたマタをベンチに置いたのは意外だったが、ルーニー、ウェルベックを完全な2トップに添えた4-4-2の布陣を見て納得した。

 香川真司はその中盤の左サイドで先発。これも、不振を極めたとはいえ、守備を重視したモイーズ監督の下で先発を奪い返し、タフな選手に成長した証だった。

 香川もこのギグス監督初陣のスタンドの雰囲気に酔った。試合後、「今日は本当に思い切ってやれたと思います。ピッチもすごく雰囲気も良かったんで、まあ(サポーターに)勇気をもらったというか、それはあります」と語った日本代表MFの表情には、チームが不振を極めた今季にはなかなか見られなかった清々しさが漂った。

 しかも間近で話を聞いて伝わってきたのはその体調の良さ。最近の試合では先発出場も増えたが、非常にフィットした印象で、余談ではあるが、すでに1か月半後に迫ったブラジルW杯への期待も自然に高まる姿だった。

 確かに前半は、守備を固めたノリッジにやや手こずり、マンチェスター・U選手にはフラストレーションも溜まる展開だったが、1999年トレブル時を思わせるような4-4-2で挑んだ攻撃陣は、決して守備をおろそかにしたというわけではなく、しかし気持ちはゴールに向かっていた。それは試合後の香川の証言でも明らかだ。

「みんな本当に勝ちたいということを表現していたと思うし、そのために闘志をむき出しにして戦いました。みんなで走って戦って、このチームで積み上げてきたものは偉大なものですから、そういう意味で僕たちには責任がありますし、それをピッチの上で表現しようと必死でした」

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