日本、「終わりの始まり」 PK戦敗退は運、シュート決定率2.8%は実力

グループリーグで「ぬるま湯」に浸かってしまった日本

 

 UAEイラスト②

 この試合のポゼッション率は日本の68.1%に対してUAEは31.9%だ。しかしそれは120分の試合を通したポゼッション率だ。日本の失点は前半7分だ。開始から5分間の日本のポゼッション率は41.7%、失点した6分から10分の間には35.3%にまで下がる。

 イラストを見てほしい。日本のディフェンシブサードで(ピッチを縦方向に三分割し、日本の自陣に最も近いエリアを指す)3割弱のプレーが行われていた。考えられるのは日本の立ち上がりが非常に悪かった、あるいはUAEがグループリーグで見せた平均ポゼッション率60%超えはまぐれでなく実力だったということだ。答えはおそらくこの両方だろう。

 グループリーグで「ぬるま湯」の戦いをした日本は、普通のテンションでゲームに入ったのだろう。開始早々から最終ラインの裏を狙われゴールキーパーと1対1の局面を作られたシーンはまさにその象徴で、ボールホルダーへのアプローチも、最終ラインの選手にもまるで緊張感が無かった。

 結果、裏へのシンプルなパスから失点してしまったのだが、ポゼッション率の低さは日本との力関係によるものではないはずだ。

 失点直後にUAEのポゼッション率が一気に29.8%まで下がる。これは先取点を取った後、無理をして攻めて追いつかれるより守り切れるところまで守り切ろうという戦術面がデータに反映されたものだろう。ワールドカップでポゼッション率歴代最高チームのコロンビアが日本代表との試合で堅守速攻に徹したのと同様のゲームプランだ。日本が、引いて守るアジアのチームをどう崩すかというアジア対策を講じている以上にアジアの強豪国の日本対策が進んでいたということだろう。

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