日本、「終わりの始まり」 PK戦敗退は運、シュート決定率2.8%は実力

 

シュート35本、クロス42本、CK18本、圧倒したデータの裏側に隠されていたもの

 

 

 uae図①

 

 アジアカップグループリーグを3戦全勝、失点ゼロで駆け抜けた日本代表は、いとも簡単にノックアウト方式のステージに駒を進めた。準々決勝の対戦相手、UAEのグループリーグでの戦績は、2勝1敗勝ち点6で2位。初戦のカタール戦は4-1、ポゼッション率53.5%、バーレーン戦は2-1でポゼッション率60.6%、0-1で負けたイラン戦のポゼッション率は67.7%だった。この大会で初めて日本は、ボールを保持し自ら仕掛けるチームと対戦することになった。

 しかしアジアで頭一つ抜けた実力を持つ日本の前にはグループリーグ3試合平均60.6%のポゼッション率を誇るUAEでさえ31.9%にまで下げた。

 日本はポゼッション率68.1%、シュート数35本対3本、オープンプレーでのクロス42本対3本、コーナーキック18本対0本、パス数(パス成功率)799本(90.1%)対396本(70.7%)、Duels(50%対50%の可能性でボールを奪える状況)の勝率54.5%対45.5%と負けた理由を探すことが困難なデータを残し、オーストラリアを後にすることになった。指揮官アギーレは「PK戦での敗戦は運」と結論づけたがこれだけ圧倒した相手に勝ちきれなかったのは残念ながら「運」ではなく「実力」だ。

 シュートの絶対数が多いことは分かった。日本が雨あられのように浴びせるシュートにどの程度プレッシャーがかかっていたのだろうか?

 表を見ていただきたい。今回のアジアカップでの枠内シュート率は40%弱だ。ワールドカップでは簡単に枠に飛ばすシュートは打たせてくれない。その率は約13%下がる。ペナルティエリア内で必死に体に当ててシュートを止めようと試みるプレーの結果がシュートブロック率だ。グループリーグで20%弱だったデータがワールドカップでは約倍になる。

 さて今回のUAE戦ではどうだったのだろう。ゴール前に人数をかけて守るという意味では今大会のグループリーグでも一緒だが、シュートを打つ最後の瞬間に体を投げ出す気迫、ボールホルダーへの寄せるスピードはグループステージとは異なっていた。

 この日の日本のシュート決定率は2.8%。相手のプレッシャーが弱く、自分たちのペースでやる相手には滅法強いが最後に体を張られると打ち破る力が無いというのが客観的な分析だ。

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