中澤佑二はなぜ36歳でもJ1の主力でプレーし続けられるのか 本人が語る意外な理由は?
40歳の壁をいかに乗り越えるか
「自分が本当にヘタクソだったからですよ。中途半端に上手かったらここまでやっていなかったと思う。満足しちゃって。小学校でも、中学校でも、高校でもちょっとうまかったら、そこまで練習もしなかっただろうし。僕はずっとヘタクソできたから、やるしかなかったんですよね」
小学校6年生でサッカーを始めて以来、常に自分よりうまい選手がいる環境でプレーし続けてきた。早くからプロを志した中澤がその中で勝ち抜き、プロ入りを引き寄せるには人よりも考え、努力するしかなかったのだ。その体に染みついた“習慣”はプロになってからも消えず、むしろ、成長を促す武器となった。
リーグ優勝やワールドカップ出場、日本代表のキャプテンなどを経験した今でも自身を「ヘタクソ」と形容するあたりが、36歳になっても一切、手を抜かずに走り続けられる要因ということなのだろう。
現役生活のゴールはどこを見据えているのか。
「いやあ、考えてない。とりあえず40歳にいったら考えようかなって。40までがんばれたら、その辺でどうしようかなって感じじゃないですか。40の壁をどう超えられるかってところだと思いますね」
昨季あと一歩でリーグ優勝を逃した悔しさは忘れていない。公言はしないが、ブラジルW杯の切符も最後まで諦めないだろう。「ヘタクソ」の代表として、今も第一線で活躍し続ける36歳。その活躍は多くの選手に夢と希望を与えているに違いない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web