アジア杯8強敗退 右太もも裏を痛めた長友は「足を引っ張って申し訳ない」
待っていた最悪の結末
日本代表は23日、アジアカップ準々決勝でUAEと対戦し、1-1で迎えた延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗れた。96年大会以来となる8強敗退となった一戦で、DF長友佑都(インテル)は延長前半5分、右太もも裏を痛めるアクシデントに見舞われた。
試合直後、ダイナモは悔しさをにじませながら謝罪した。
「悔しいです。僕が足を痛めた。足をひっぱったのが申し訳ない。交代枠がない。チームの足をひっぱらないようにとやったつもり。申し訳ありません」
長谷部誠(フランクフルト)の横パスがそれると、長友はこれに追いつこうとダッシュした。こ こで太ももの裏に異変が生じる。
しかし、逆転勝利を目指すハビエル・アギーレ監督は、後半20分の時点で交代枠を使い切っていた。長友を下げる選択肢は存在せず、延長後半は守備面での負担を軽減させるために前線に置いた。
負傷した長友はPK戦では出番がなく、親友たちの無情なシーンを見届けた。FW本田圭佑(ACミラン)と、MF香川真司(ドルトムント)が、まさかのPK失敗。試合後、責任感から号泣する香川を慰めた長友は「これが僕らの実力。ワールドカップ(W杯)でも負けて、アジアカップでも結果を出せなかった。しっかりとこれが自分たちの実力だと受け入れてやっていくしかない」と語った。
腰痛に苦しんだ無名の大学生は、日本代表の主力、名門インテルのレギュラーと成 功の階段を一気に駆け上がった。そして、優勝を目標に掲げて臨んだ昨夏のブラジルW杯では、2敗1分で1次リーグ敗退。大会終了後、長友は虚無感から燃え尽き症候群のような状況に陥ったという。
だが、再び闘志を燃やし、アジアカップで日本サッカー復権への足がかりと、連覇を目指してきた。豊富な運動量で攻守にチームを支え続けてきた長友だが、故障を抱えて大会を去る。思い描いたシナリオとは正反対の非情な結末を迎えた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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