勝利の原動力は鹿島の小笠原とL・シルバ 浦和の“武器”を寸断「したたかに戦えた」
鹿島のダブルボランチが浦和の2シャドーの出入りに対して完璧に近い応対
鹿島アントラーズは4日のJリーグ第10節で、首位の浦和レッズに対して敵地で1-0の勝利を収めた。リーグ最多得点を誇る浦和攻撃陣を枠内シュート1本に封じ込めた原動力は、浦和の武器を寸断したダブルボランチにあった。
浦和は1トップにFWラファエル・シルバ、2シャドーにFW興梠慎三とFW武藤雄樹が構える布陣でスタートした。一方の鹿島は、MF小笠原満男とMFレオ・シルバがダブルボランチを構成して迎え撃った。
浦和の攻撃がスピードアップするのは、GK西川周作を交えた最終ラインでのボール交換から、2シャドーに縦パスが入った瞬間が多い。一人がボールを引き出し、一人が裏に抜ける、あるいはフリックパスを受けるポジションを取り、3人の連係で中央のマークをズラしてしまう。そこに意識が集まり過ぎたタイミングを見計らい、大きなサイドチェンジでドリブラーを生かすという攻撃の形を生かし、公式戦15試合で44得点を奪ってきた。
しかしこの日は、鹿島のダブルボランチが2シャドーの出入りに対して完璧に近い応対を見せた。植田直通と昌子源のセンターバックコンビに加え、ボランチの一人が最終ラインに入り、シャドーが受けに降りたサイドのボランチは確実に潰しに出る。左右で出入りする対応を何度も繰り返していれば、両者が出てしまう瞬間や両者が遅れて前を向かれる瞬間が頻発するものだが、そのオートマチズムが崩れなかった。