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日本代表が世界で勝つために、胸に刻むべき「ゆでガエル」の教訓
日本よりも明らかに力が劣ったヨルダン
一方、気にしておくべきことがある。日本のセカンドボールへの意識は間違いなく高いはずだ。しかし相手チームもセカンドボールを奪った後のカウンターに勝機を見出す以外にほとんど打開策がない。パレスチナ戦もイラク戦もその相手の勢いが上回っていた。しかしヨルダンはそこまで徹底できていなかった。つまり相手の力不足という点への指摘だ。
イラスト(2)
イラスト(3)
イラスト(2)とイラスト(3)を見てほしい。明らかに日本がヨルダン陣内でボールを多く持っていたにも関わらず(2)、ヨルダンは危険な場所にポジションを取る選手が足りなかった(3)。ヨルダンは仮にファーストボールを競り勝てても次の準備までは出来ていなかったことになる。
徹底的に自陣深い位置で守り、奪ったボールをシンプルに前に運ぶカウンターに徹するのもアジアスタンダードだが、そこから脱しようと半端にボールを繋ごうとしたり、曖昧なポジションを取るようなプレーも、悪い意味でアジアスタンダードだ。まさに今回のヨルダンはそのようなサッカーを展開していた。現段階で、アジアスタンダードから脱しているのは日本、韓国、オーストラリア、イランだけだ。
実はこの試合と似たデータの試合がワールドカップで行われている。グループリーグ最終戦のコロンビアとの試合の前半だ。1-1だったこの試合の前半のポゼッション率は日本の64.3%に対してコロンビア35.7%、パス数は日本の230本(成功率81.3%)に対してコロンビアは129本(成功率68.2%)、コロンビアのDuelsの勝率は34%だった。
日本と戦うアジアの多くのチームはこのようなデータを修正する力がない。しかし、世界のトップチームはそこをゲーム中に変える力がある。コロンビアの後半のデータを見ると、スコアは3-0、ポゼッション率は日本の48.1%に対してコロンビア51.9%、パス数は日本の201本(成功率81.1%)に対してコロンビアは156本(成功率80.8%)、コロンビアのDuelsの勝率は52%に改善されている。