闘莉王が称賛する二人の天才 中村俊輔と小野伸二の違いはどこにあるのか?
小野の魅せる技術も唯一無二
そして現在コンサドーレ札幌でプレーする小野もまた、日本サッカー界が誇る天才の一人だと闘莉王は認めている。浦和レッズと2004年のアテネ五輪代表で共闘し、今でも親交は厚い。中村自身も小野を天才と認めているが、二人の天才性には違いがあるという。
「どちらも天才でしょう。伸二さんの場合は足技やトラップが凄い。魅せるという部分で抜群で、あれも真似できるものではない。怪我がなければ、どうなっていたか分からないよね。でも、ゴールに関わる部分、勝負を左右するという試合における影響力という部分では、俊輔さんが上かな」
かつて移籍1年目にフェイエノールトでUEFA杯(現UEFAヨーロッパリーグ)優勝の偉業を成し遂げた小野は、“ベルベット”と呼ばれるほどの受け手に優しいパスを披露。観衆のみならず、マーカーを幻惑する華麗なプレーの数々は、サッカーの魅力を体現している。1999年のシドニー五輪アジア1次予選のフィリピン戦で左膝靱帯断裂の重傷を負って以降、そのキャリアは故障との戦いとなったが、その天才性もまた真似ができないものだと、闘莉王は称賛した。
だが、一撃必殺の直接FKのみならず、クロス、スルーパスというフィニッシュに直結する技術、試合を決める能力では中村に軍配が上がるという。
百戦錬磨の闘莉王が認める中村と小野は、4月30日にヤマハスタジアムで行われる磐田と札幌の一戦で再び相まみえる。日本サッカー界を牽引してきた二人の天才は、どんなプレーでスタジアムを魅了してくれるのだろうか。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images