「ミランにがっかり」と格下相手の敗戦を嘆く番記者 「本田をもっと早く入れていたら…」
久々の出場機会も「本田は変わらず、だよ」
ヴィンチ記者はこの起用法に、「(モンテッラ監督は)破れかぶれ的な解決法を求めて、本田を入れたのかもしれない。でも、本田をもっと前(早い時間帯)に入れていたら、もっといい試合になったと思うよ。出場してすぐに、2回いいパスを送ったから。1回はパサリッチに、もう1回はラパドゥーラへ。しかし、10分しかプレーしなかった。スソとの交代だった。スソは司令塔としてプレーしたが、今日に関しては良くなかった」と語った。
本田はこの試合でミラン3人目の交代選手となったが、モンテッラ監督にとっては一か八かのギャンブル的な起用だったとヴィンチ記者は見ている。だが、PKを失敗するなど精彩を欠いたスソをこの時間まで引っ張るよりも、早めに本田を投入していた方が良かったとヴィンチ記者は指摘した。
今季7得点9アシストとミランの攻撃をけん引してきたスソが調子を落としている今、本田に出番はやってくるのだろうか。
「本田は変わらず、だよ。出番はないと思う。次節はソサがいないが、ロカテッリが代わりにプレーするから意味はない」
2014年1月にCSKAモスクワから移籍金ゼロで加入した本田に対して、一貫して好意的なレビューで評価してきた擁護派イタリア人記者の見立ても、厳しさは変わらなかった。
「来季の去就にも影響はない。本田は確実にミランに残らない。契約更新はしない」
今季限りで契約満了となる本田だが、中国人オーナーが買収後も退団の流れに変化はないという。昨季までは契約延長の流れにあった本田は、モンテッラ政権の誕生によってその立場は激変した。栄光の背番号10の継承者に、ミランでの未来を切り開く手立てはもはや残されていないのだろうか。
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倉石千種●文 text by Chigusa Kuraishi
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images