川崎がアウェー水原三星戦でACL初勝利! 奈良のヘディング弾で1-0、決勝T進出に望みつなぐ
川崎の守護神が終盤にスーパーセーブ
もどかしい流れを打ち破ったのは、セットプレーだった。後半立ち上がりの3分、右サイドでフリーキックを得ると、中村がファーサイドに上げたボールにDF奈良竜樹が合わせた。マーカー3人の上をいく高さのヘディングシュートを文字通り叩き込み、敵地で念願の先制点を奪った。第2節のイースタンSC(香港)戦では前半で退場処分を受け悔しさを味わった男が、名誉挽回の一撃を決めた。
先制点を奪った川崎のボール保持能力が、攻撃に出たい水原三星を苦しめる展開になった。プレスをいなすパスワークと攻撃が機能し、同19分にはスルーパスに完全に抜け出したFW小林悠が相手GKと1対1になる大チャンスを得た。しかし、ここで小林は左足シュートを枠外に外してしまった。さらに同25分にはMF三好康児がGKとの1対1を失敗し、こぼれ球に詰めた小林も決められず。追加点を得る絶好のチャンスを逃してしまった。
試合終盤に水原三星の反撃も受けた川崎は、後半アディショナルタイムに迎えたゴール前の数メートルでフリーのシュートを撃たれる大ピンチも守護神チョン・ソンリョンがスーパーセーブ。このまま1点リードを守り逃げ切りに成功した。
川崎はこの勝利で今大会の初勝利を挙げて勝ち点7に伸ばした。川崎の試合終了後にキックオフされる広州恒大(中国)と最下位イースタンのゲームで広州が勝利した場合、川崎は3位で最終節を迎えるが、水原三星と広州恒大が直接対決のため、川崎は勝利でグループステージ突破を決めることができる。4戦連続ドローを経て敵地で初の勝ち点3は、川崎の決勝トーナメント進出への道筋を明るく照らし出した。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images