八百長疑惑で崖っぷちもさえ渡るアギーレ采配 日本を決勝トーナメントへと導く
的確な交代策で3連勝を飾る
ハビエル・アギーレ監督が、絶妙な采配で日本の7大会連続の決勝トーナメント進出を引き寄せた。
日本代表は20日、アジアカップ1次リーグでヨルダンと対戦し、2-0で勝利を飾った。
指揮官は、勝っている時はチームを変えないという鉄則通り、今大会3試合連続同じスタメンでこの一戦に臨んだ。
後半6分、前半再三決定機に絡んでいた左ウイングの乾貴士(フランクフルト)の動きが鈍ると見るや、MF清武弘嗣(ハノーバー)を迷わずに投入。躊躇のない采配で前線が再び活性化する。
後半34分には前線から強烈なプレシングを続けて きたFW岡崎慎司(マインツ)が疲労蓄積と見るや、フレッシュなFW武藤嘉紀を1トップに投入。その3分後に待望の追加点が生まれた。
左サイドで武藤のクロスに、MF香川真司(ドルトムント)が反応。右足でアギーレ体制初となる得点を挙げた。
2点差に開いた後半42分には、A代表通算151試合目の出場となったベテランMF遠藤保仁(G大阪) を下げ、後継者と期待されるMF柴崎岳(鹿島)を投入。大会前にはインフルエンザでコンディション面で出遅れていた期待の若手に国際経験を積ませることにも成功した。
1次リーグでは絶妙な選手交代を見せているアギーレ監督は「両チームとも勝ちたいと思って戦った試合だと思う。あとはレフェリーの判断に任せた」と語った。
試合前、FW本田圭 佑(ACミラン)が12日の初戦パレスチナ戦後に主審のジャッジなどを批判したことで、アジアサッカー連盟から罰金処分を受けていた。それだけに、あえて審判をリスペクトする発言をしたのかもしれない。
スペイン1部レアル・サラゴサ監督時代の2010-11シーズン最終節レバンテ戦での八百長疑惑が噴出。スペインの地元メディアは、検察当局からの告発状がバレンシアの裁判所に受理されたと報じている。2月から指揮官ら42人の証人に対する審理や捜査がスタートする予定で、今大会後に解任される可能性も浮上している。
「スペインサッカー史上初の裁判」とスペイン地元紙「マルカ」が報じるなど、日本と欧州でのスキャンダル報道とは対照的に、崖っぷちの指揮官の采配はさえ渡っている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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