アジア杯決勝トーナメント進出 本田が1次リーグ突破を決める3戦連発の活躍
再び飛び出した敬礼パフォーマンス
日本代表のFW本田圭佑(ACミラン)は20日、アジアカップ1次リーグ第3戦のヨルダン戦の前半24分、右足で3戦連続ゴールを決めた。この鮮やかな決勝弾を含む2-0で勝利し、日本代表の7大会連続となる決勝トーナメント進出に貢献した。
チャンスはブンデスリーガ組の絶妙な連係から生まれた。フランクフルトの同僚でもあるMF長谷部誠の縦パスを受けたFW乾貴士が巧みにスルーパス。それに反応し、スペースに走り込んだFW岡崎慎司(マインツ)が左足を振り抜いた。相手GKが弾いたこぼれ球をフリーの本田が右足で突き刺した。
満面の笑みの本田は 、駆け寄ってきた岡崎と16日のイラク戦に続く、敬礼パフォーマンス。
本田は試合後、チームメートへの感謝を口にした。
「それ(3戦連続得点)に関してはうれしい。チームメートに感謝したい。今のところ良いボールが来ているので」
イラク戦でゴールポストに3本のシュートを当て、決定機を外していた背番号「4」。イラク戦後の記者会見では、「次の試合で得点します」と英語でその決意を語っていた。そして、いきなりこのヨルダン戦で公約を守った格好だ。
本田は12日の大会初戦パレスチナ戦後に主審のジャッジを「バスケットボールのよう」と批判し、アジアサッカー連盟から5000ドル(約60万円)の罰金を命じられた。だが、自らの今大会初となる流れの中でのゴールでこの 騒動を吹き飛ばした。
また、アギーレ・ジャパンでゴールのなかったMF香川真司(ドルトムント)にも待望の得点が生まれた。さらに、追加点を狙った本田は後半ロスタイム、放った右足シュートがポストを直撃した。男は、自戒を込めるようにこう話した。
「チームとして1点でもより多くとれると良い雰囲気になる。まだまだチャンスを無駄にしている。精度を高めていきたい」
日本は、1次リーグ無傷の3連勝で決勝トーナメント進出が決まった。「この3試合でいえば、そこまで危なげなく戦えていることは、チームが成長したところだと思う」。2011年の前回カタール大会は、劇的な勝利を積み重ね、アジアの頂点にたどり着いた。だが、今大会はチーム全体が安定感を示し、4年前から成長 した姿をオーストラリアのピッチ上で表現し続けている。3戦連発でチームをけん引する本田が、日本をアジアカップ連覇に導く。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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