監督に怒りのジェスチャー、同僚に苛立ち… 不満を爆発させた川崎新主将が担う重責
エースでキャプテンという重責
2-1で迎えた後半アディショナルタイム、まさにラストプレーで清水に同点弾を決められ、土壇場で勝ち点3を逃すことに。4試合ぶりの勝利は目前で、その手からこぼれ落ちていった。小林は悲劇的な失点の直後、ガクッと膝から崩れ落ち、そのまま試合終了のホイッスルを耳にした。
昨季終了後、他クラブからオファーを受けていた小林は、高額な年俸の提示も蹴り、「川崎で優勝したいんだと実感した」と残留を決断。FW大久保嘉人がFC東京へ移籍したことから絶対的エースとして攻撃陣を引っ張るのに加え、今季はMF中村憲剛からキャプテンマークも託されることになった。勝ちきれないチームの現状は、多くの重責を担う小林を、より一層ナーバスにしているのかもしれない。
それでも、「今日の攻撃に関しては手応えがあったし、やっていて久しぶりに楽しかった」と前向きな言葉を発した姿には、エース、そしてキャプテンとしての風格が漂っていた。
白星に見放されている今は苦しい時を過ごしているが、この壁を乗り越えた時こそ、小林が選手として一皮むける瞬間なのかもしれない。
【了】
城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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