期待したのは「PKで再開」 Jで起きたオフサイド判定に審判委が見解「意見は割れるかもしれないが」

川崎と横浜FMで起きた事象について説
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は、4月23日に今季3回目のレフェリーブリーフィングを実施した。J1での際どい判定について映像を用いて説明した佐藤隆治JFA審判マネジャーは、4月9日の川崎フロンターレと横浜F・マリノスの試合で起こった判定について、「期待している判断は川崎にPKを与え、オフサイドの反則としないものだった」と話した。
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この場面は前半終了間際、川崎の攻撃場面で縦パスが入り、横浜FMのDF諏訪間幸成がカットするも、川崎がセカンドボールを拾い攻撃を継続。最終的にペナルティーエリア内で川崎のMF伊藤達哉が相手MFジャン・クロードに倒された。この場面で御厨貴文レフェリーはノーファウルとしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入でオンフィールドレビューを実施した。
判定の流れとしてはクロードのタックルをPKと判断した後、川崎のAPP(アタッキング・ポゼッション・フェーズ)内のプレーを確認したところで、最初の縦パスを諏訪間がカットしたところにオフサイドポジションにいたFW小林悠がインパクトを与えたとして、川崎のオフサイド判定に。横浜FMボールから試合の再開になった。
佐藤マネジャーは一連の流れについて、PKという判断に進んだところまでは正しいと話した。一方で、最終的な判定については「(小林を)オフサイドと判断する理由がなくはないが、このケースはボールにも相手にも触れていない。我々はインパクトを与えたと判断しない。マリノスの選手は小林のアクションに関係なくプレーしているので、インパクトとは考えない。意見は割れるかもしれないが、PKで再開する判定を期待している」と話した。
この場合、諏訪間がカットした地点と最終的に小林がパスを受けようとした地点があまり離れておらず、「小林のほうがゴール寄りにいることから諏訪間にプレッシャーを与えているのではないか」という趣旨の質問を受けた佐藤マネジャーは「精神的な影響はインパクトに入らない。あくまでも物理的な影響があるかないか」と、ルール上の判断について説明。例えば小林がボールをまたぐ、あるいは諏訪間に接触するなどのアクションがない限り、ゴール側に存在することだけで発生する心理的影響はインパクトの判断に加味しないとした。
そのため、この場面ではクロードの接触を反則と判断して川崎にPKを与え、小林のオフサイドは反則としないことが期待している判断になると説明していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)