スキッベ監督らが判定に激怒も「発言に関与するところではない」 クラブW杯で採用、GK保持の新ルールは「6月頃に説明」

審判委員会がスキッベ監督や、リカルド監督らの発言について言及
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は4月23日、今季3回目のレフェリーブリーフィングを実施した。サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督がプレー中の判定に激怒した件について、扇谷健司審判委員長は「インタビューでの発言内容には関与するところではない」と話した。
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今季3回目のブリーフィングではポーランドサッカー協会との審判交流プログラムや、J1のプレーを映像で紹介しながら判定について説明。荒木友輔主審、三原純副審、渡辺康太副審は、今月にポーランド1部リーグで4試合を担当した。
扇谷委員長は「なかなか他国のトップリーグを担当する機会はないが、ポーランドでは中断していたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が再開するなどの状況もあった。観客も増え、発煙筒もたかれるなど難しい環境だったが、成長につながると思う。評価は高く、ポーランドサッカー協会からも今後も取り組みを継続していきたいという話をもらっている」と話した。
また、広島と名古屋グランパスの試合中に広島FW前田直輝が接触で倒されたプレーと、その判定がイエローカードだったことにスキッベ監督が激怒して激しい言葉をインタビューや記者会見で発言したこと。柏レイソルと湘南ベルマーレの試合で、柏FW垣田裕暉のシュートが直前のハンドにより取り消された場面について、柏のリカルド・ロドリゲス監督が猛抗議してプレー再開後も第四の審判員に詰め寄り続けていた場面があった。
扇谷委員長は、こうした行為についての対応について問われると「ピッチ上のことは我々で対応しなればならない。ただし、インタビューでの発言内容には関与するところではないので、我々で判断することはない。日本のサッカーがどう良くなっていくかというところ」とコメントしている。扇谷委員長は、映像を用いた判定の説明などは各クラブの強化担当にも同じものをJリーグを担当する佐藤隆治JFA審判マネジャーが行い共有していると明かした。
また、GKが手でボール保持した時間が8秒を超えると相手にコーナーキックを与えるなどのルール改正について、扇谷委員長は「今、翻訳などをしている状況。6月頃のブリーフィングで紹介して説明すると思う。Jリーグや全国大会では7月以降にやっていく」としたうえで、新ルールを適用して開催されるクラブ・ワールドカップ(W杯)に出場する浦和レッズに対しては「リーグと調整している」として、説明の機会を設けることを検討しているとした。
そして、このクラブW杯には残念ながら日本人審判員の選出がなかった。扇谷委員長は「悔しいとかそういうところより、次の(2026年北中米共催)W杯にどう審判員を送り込むか。新しい大会へのFIFAの考え方も分からないところはある。もちろん行ってもらえた方が良いけど、悲観的なところはない。W杯の候補レフェリーがやっていることはポジティブ。U-20やU-17の世界大会に向けて準備をしていきたい」と話していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)