“流れを変えない”交代策「経験があっても難しい」 浦和が確立する勝ちパターン「しっかり判断を」

浦和の原口元気【写真:徳原隆元】
浦和の原口元気【写真:徳原隆元】

浦和MF原口はリード状況で途中出場

 浦和レッズは4月20日のJ1第11節、横浜F・マリノス戦に3-1で勝利してリーグ3連勝を飾った。その共通点に”先行逃げ切り”の試合展開があるが、交代出場して1アシストしたMF原口元気は「経験があっても難しい」と、リードを維持する役割での出場について話している。

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 浦和は中2日、中3日と厳しい日程での3連戦だったが、この3試合を全く同じスタメンで臨んだ。マチェイ・スコルジャ監督は、現在のスタメンの選手たちに継続性を持たせる狙いを話していたのに加え、このゲームの試合後会見でも「スタメンを変えないというリスクを冒して今日は臨んだ。立ち上がりが良ければ、そのあと楽になるという考えのもとにこうした。ですので、ベストイレブンとも言える11人を前半から使った」と、その意図を説明している。

 その結果としてリードを奪う展開に持ち込んでいるのは狙いどおりである一方、その状態から交代出場する選手たちには難しさもある。同点やビハインドの状態での投入は、流れを変えることが必要な場合が多い。一方で、このような展開では交代選手が流れを変えないことの重要性が高まってくる。

 3試合連続でそのような形での途中出場になった原口は「勝っている中での最後の30分は、心理的に全然、試合の入り方が違ってくるので、そこの難しさがある。味方がどれだけ疲れているのかという状況も読みながらプレーしなければいけないので、これだけ経験があるけど、それでもピッチ上でしっかり判断をしかなきゃいけない」と話している。

 実際に、このゲームは後半立ち上がりに2-1としてからは横浜FMがボールを持つ時間が長くなり、浦和は後ろに下がって守る場面が多くなった。指揮官は「もっと押し上げてプレスを掛けることで、自陣のペナルティーエリアから遠いところで守ろうという指示をした」と話す。

原口はチームの3点目をアシスト

 一方、原口が「試みたけど、結局一番のピンチになったシーンなんかは僕が少し前に行って(長沼)洋一とヤン・マテウスが一対一になって、クロスまで行かれてというのが一番危なかった。やっぱり前には行くけど、洋一をヘルプすることとか、ヤン・マテウスという一対一が強い選手がいたので、そこら辺の判断は難しいなと思いました」と話したように、途中から入ったうえで試合の空気感を感じ取り、崩れないようにプレーするのは簡単ではないだろう。

 それでも後半43分には、自身が蹴ったコーナーキックの二次攻撃で左足クロスを上げ、DFダニーロ・ボザのチーム3点目をアシストした。「左足クロスは、元から左ウイングをやっているので得意な部分でもある。いいフィーリングだった」と、自身の長所を生かして試合を決定づけた。

 同様に途中出場が続くMF松本泰志も、フレッシュな状態で疲れのある選手たちの中に入ることを「自分たちはプレスに行きたいけど、うしろがついて来ないと無駄にスペースが空いてくるので、そこはすごく難しいところ」と話す。リーグ戦で勝利を重ねていくためには、ビハインドを跳ね返して勝ち点を得ることだけでなく、勝てるゲームをそのまま勝ち点3で終わらせることも重要になる。そうした面も噛み合い始めた浦和は、自分たちの勝ちパターンを確立しようとしている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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