教官室に呼び出しされ「チームない」 強豪校で挫折…インハイ優勝の帰路で受け取った”大阪行きの切符”【インタビュー】

高宇洋が高卒でプロ入りするまでの過程とは【写真:(C) FCTOKYO】
高宇洋が高卒でプロ入りするまでの過程とは【写真:(C) FCTOKYO】

高宇洋がサッカー選手になるまでの半生に迫る

 FC東京で2シーズン目を過ごすMF高宇洋。15歳で親元を離れて市立船橋高校へ進学し、高卒でガンバ大阪行きを勝ち取った。高卒プロ入りを果たした同期2人と切磋琢磨した高校時代、教官室で1人味わった挫折…。インターハイを優勝した直後に起きた印象的な出来事について話してくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/第4回の2回目)

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 高の父親は現役時代に中国代表で通算54試合に出場した高升(こう・しょう)さん。父親からの影響を受け、地元の川崎でサッカーを始めた。小学・中学年代では川崎フロンターレU-12でプレーし、U-15へ昇格。U-18へ進む選択肢もあったなかで、千葉県の強豪・市立船橋高校に進学を決める。

 ユースではなく、高校サッカーを選んだ理由について、当時15歳の高は「このままじゃやばいなっていう感覚があったのか。環境を変えたくて」と危機感を持ったうえで市立船橋への進学を決断し、寮生活をスタート。市立船橋では攻撃的な選手として頭角を表すなかで、高校3年次からは主にボランチプレーすることになる。

 高の同期には高卒でプロ入りを決めた2選手がいる。現在、柏レイソルでプレーするDF杉岡大輝と、名古屋グランパスのDF原輝綺だ。高が「今でもめっちゃ覚えてる」と話したのは高校3年生になったばかりの4月のこと。プロも注目していた3人が当時の朝岡隆蔵監督に体育教官室へ呼ばれた。最初に杉岡、2番目に原が入り、最後に高の順番がきた。そこでは、杉岡に4チーム、原には2チームから練習参加の声がかかっていたが、高には声がかかっていなかった。

「最後(に呼ばれた)ってことは俺はどんな感じなんだろう?って思ったら、なかったんですよチームが。今現在チームはないから、大学を含めて色々考えてこいと。その時に初めて、すごく悔しい思いになりましたし、プロになりたいって目標を持って高校にいきましたし、そこでなかなか思い描いていたような結果を得られなかった」

 高3で初めての挫折を味わった高だが、悔しさをバネに広島で開催されたインターハイ優勝に貢献。朝岡監督も後に、「高や杉岡のリーダーシップが素晴らしかった。彼らの姿勢に引っ張られて、正しく努力できた面が多かったと感じていました」と高校時代を振り返る。

 大会の優秀選手賞にも見事選出され、広島から東京へ帰路に着こうとした時だった。他のチームメートには東京行きの新幹線チケットが渡されていくなかで、高に渡されたのは大阪行きのチケット。インハイ制覇の翌日から大阪に直行し、ガンバ大阪の練習に即参加することが決まっていた。

「決勝戦をやって優勝して。広島からの帰りに、東京へ帰るってなった時に、東京行きの新幹線の切符をみんなもらうんですけど、その時に俺だけ大阪行きの切符をもらって。決勝が終わって次の日から練習参加してほしいと」

 インハイに続き、2冠を狙った全国高校サッカー選手権では2回戦で敗退するも、杉岡、原と揃って高卒プロ入りが決定。G大阪で新たな道を進むことになる。

【試合情報】
開催日:2025年4月25日(金)
カテゴリー:J1リーグ第12節
対戦カード:FC東京 vs ガンバ大阪
キックオフ時間:19:30
試合会場:国立競技場

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(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



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