身長187cmも…長身ゆえの苦労「何で負けているんだよ」 高さ&技術で進化した逸材FW

流通経済大柏の大藤颯太「今年は僕がチームの顔となるような選手になりたい」
流通経済大柏が誇る大型ストライカーが今、進化の時を迎えている。187センチのサイズを誇る3年生FW大藤颯太は昨年からそのポテンシャルを高く評価されていた。ポストプレーはもちろんのこと、足元でボールを収めてからのターン、多彩なシュートアプローチのパターンを持ち、FWからトップ下までこなせる能力を持つ。
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高円宮杯プレミアリーグEAST第2節の昌平戦、インサイドハーフでスタメン出場をした大藤は、その圧倒的な高さを駆使して前線で起点を作る。1.5列目でコンビを組んだドリブラーの安藤晃希の動きに合わせてワンタッチで落としたり、キープしてからサイドやDFの背後のスペースに落としたりとリンクマンとして機能した。
そして1-0で迎えた41分、左サイドでFKを得ると、MF上田哲郎の蹴ったボールに頭1つ抜け出してドンピシャヘッド。強烈な軌道を描いたボールはゴールに突き刺さった。待望の今季初ゴールは得意の頭でもたらされた。
「このサイズなのでいいクロスが来ても決めきれなかったり、競り合いで負けたりすると『何で(その身長で)負けているんだよ』と言われることもあるので、あれは決めないといけないと思っています」
3-0での快勝後、彼はこう思いを口にした。この言葉のように彼はサイズがあって、足元もあるFWとして大きな期待を集めながらも、長身ゆえの身体操作の難しさなどの壁もあり、昨年までは思うように期待に応えられなかった悔しさを味わい続けた。
「プレミアでは少し出番を得ることができたのですが、夏以降に3年生たちがどんどん成長をしていって、選手権ではチームの快進撃を外で見つめるしかできませんでした」
選手権の登録メンバーに入り、3回戦の大津高戦ではベンチ入りを果たしたが出番は来ず。それ以降はベンチ外で、国立でもスタンドから応援することしか出来なかった。だが、苦しんだ1年の中で大きな成長を掴み取ることができたという。
「紅白戦で奈須琉世さんと佐藤夢真さん(共に流通経済大)のCBコンビとずっと対峙してきたので相当鍛えられました。あの2人は強いし、賢い。駆け引きとか競り合い、身体の当たりも全部強いので、僕はサイズやフィジカルに頼ってばかりいたら全部弾かれてしまって、突破ができない状況でした。
そこで足元で収めるプレーや、オフ・ザ・ボールの動き、ワンタッチプレーなどを意識するようになりました。最初に身体をぶつけてみたり、あえてスペースを開けてみたりといろんな方法を試しました。僕は今でもあの2人が高校日本一のCBコンビだったと思っているので、そこに毎日挑めたことは僕の中でも大きな財産になっていると思います」
先輩をリスペクトしながらも、練習では怯むことなくどんどんチャレンジをしていく。その姿勢があったからこそ、彼はこのサイズに魅力的な能力を搭載させ、その機能を上げていくことができた。
「今年は僕がチームの顔となるような選手になりたいし、昨年のFW粕谷悠さんや山野春太さん(共に流通経済大)のように3年生になってからもグッと成長する姿を見てきたので、自分もそうなりたい。ずっと『お前が成長すればチームの武器になる』とも言われているので練習あるのみだと思っています」
魅力十分の「リュウケイタワー」は、吸収力とチャレンジャー精神をベースに、力強さと頼もしさに拍車が掛かろうとしている。
(FOOTBALL ZONE編集部)